日本剣道形は、先人の叡智を傾け、鋭意調査協議を重ねて制定したものであり剣道の基礎的な礼法や技術、そして剣の理合を示したものである。高野佐三郎著「剣道」では「斯道の練習法三様あり、第一形の練習、第二仕合、第三打ち込み稽古、是なり」と形修練の重要性を説いている。剣道形の修練により以下の効果が得られる。
1 礼儀作法や落ち着いた態度が身につく。
2 姿勢が正しく、動作も機敏になる。
3 相手の気持ちや動作を観察する観の目が養われる。
4 技術上の悪癖を直すことができる。
5 呼吸や正しい太刀筋を会得できる。
6 間合や打突の機会を修得できる。
7 打突が正確になり残心が会得できる。
8 気が練れて、気迫・気合や発声が充実してくる。
9 心と技の理合が会得できる。
10 気位が高まり、気品と風格が備わる
令和今年もあっという間に師走となり、あと数日で一年が終わりを迎え今年の修行は終了する。私自身の一年間の修行はどうであったか振返ってみた。
稽古は、朝目覚めた時からはじまることになるが、ラジオ体操、柔軟体操、そして数十本の素振りを行った。休みの日は、公園での素振り、火・金曜日は稲剣会での稽古、そして土・日・祝日は居合の稽古と思う存分とはいえないまでも充分稽古できたと思っている。
また、稲剣会では鈴木善明先生が春の審査において六段に昇段され、秋の審査では間彦滋夫先生が同じく六段に昇段された。これも昇段された先生方がこの一年間一生懸命に稽古された結果であると信じている。『稽古は嘘をつかない』とはこのことである。一年の終わりまであと数日間であるが、気を引き締めて稽古に励んでいくつもりである。
令和6年9月20日、北区稲付青少年剣道会では第61回おさらい会を挙行しましたところ、お陰様をもちまして大変有意義に終わらせることが出来ました。これもひとえにご父兄のご協力があってからこそ出来たものであると感謝に止みません。
「かわいくば、五つ教えて三つほめ、二つ叱って良き人とせよ」これは、二宮尊徳の言葉といわれているが、かわいい子どもたちの教育や子育てにとても参考になる言葉であり、また、私の指導理念の真髄でもあります。褒められて嬉しいのは決して子どもだけでりませんが、褒められてイヤな気分になる者はいないはずです。私自身褒められるのがとっても好きだからです。
指導の面からすると似たような言葉に、山本五十六の「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」という言葉がありますが、これも同じことだと思います。剣道をはじめとするスポーツ系の指導は、まず自分でやって、お手本を見せ、容易にできると思わせることでしょう。そして、言って聞かせて、納得させ、なんとかやらせてみる。そこで、褒めて、良い気分にさせ、その気にさせ、最後には実行させる。
ご父兄の皆様、おさらい会で子ども達が教わったことを上手に披露しようと真剣に剣道に取り組む姿は、とても輝いていたと思います。剣道を通じてかわいい子どもたちに何を教えるか。それは、「清く、正しく、美しい心と人を愛せる優しい心」であると私は信じています。
北区稲付青少年剣道会会長 金子 孝
令和6年8月25日稲剣会では、副会長を務める鈴木義明先生が六段審査に臨みみごと合格することができました。とても喜ばしいことです。「生涯剣道」何歳になっても剣道を続けられることはとても幸せなことであると思います。
一本技の積み重ねが、二段技・三段技になることは言うまでもありませが、二段技や三段技を行うためには、その基礎である一本打ちの習得が、当然必要になってきます。そしてまた、正しい一本打ちを行うためには、素振りや打ち込み稽古をすることが大切です。素振りをすることにより手の内がつくられ、気剣体一致の一本打ちができるようになり、なおかつ打突後も体勢が崩れないようになると言われています。
基礎とは、構えや体捌きや竹刀の操作などの、有効打突に結びつけるための、原理原則である基本動作であり、打ち込み・切り返しおよび懸り稽古であると思います。稲剣会では、この基本動作を中心に稽古を行っています。そして、それを頭の中ではなく、身体で覚えることが大切なのです。
普通基礎というと、初心者のうちに習得してしまったと思われますが、これは大変な間違いです。基礎を固めることは昇段審査に有効なばかりでなく、生涯剣道を楽しんでいくためにも重要なことであると思います。もう一度頭の中にしまい込んだ基礎を初心に戻り、素振りから固め直してみては如何でしょうか。
7月30日、北区稲付青少年剣道会では試合稽古の後に皆でかき氷を頂いた後に、「スイカ割り」や「ビンゴゲーム」のイベントを行いました。「大きな声を出しなさ~い」稽古中には何回口走ることか。こども達に見られる現象でしょうか、元気が出ないこどもが多くなっているように思える。しかしながら、稽古前やイベント参加時の様子を窺ってみるとそうでもなく大きな声を出して元気に遊んでいる。『元気』とは、文字どおり活動のもとになる力である。元気のよい子は、気持ちや行動に溌剌さがあることから見ているだけで私たちにパワーを与えてくれるだけでなく、社会問題にもなっているいわゆる「いじめ」にも遭わないであろう。剣道の場合、「気・剣・体」の一致が最も重要であり、試合ではこの何れか一つを欠くと一本と認められない。要するに、小さい声で打突しても一本にはならず、勝ちに繋がらない。また、本来掛け声(発声)は、心に油断がなく、気力が充実した状態が自然に声となって外に現れたものであるが、初心者の場合、意識的にできるだけ大きな声を出すことが必要である。
「牛の歩みも千里」意識的にできるだけ大きな声を出していれば、何時しか無意識のうちに啐啄の気を出せるようになり、ひいては、剣豪故高野佐三郎先生の言うところの「明鏡の勝ち」に繋がるものであると信じている。
空間打突は素振りの一種であるが、相手の打突部位を仮想して実際の打突に結びつけていくという狙いがある。居合が正にそうであると言える。「居合は剣道とは違う」と言われる方もおられるが、居合も剣道も同じであると思う。
その方法は、実際の打突に結びつくように充実した気勢で手の内をしっかり極めて繰り返し行う。
空間打突の留意点

| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
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